MSI MAG X870 TOMAHAWK WIFIを徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になった点は?
- まるこ

- 1月27日
- 読了時間: 6分

質実剛健な作りと高いコストパフォーマンスで、自作PCユーザーから絶大な支持を集めるMSIの「TOMAHAWK(トマホーク)」シリーズ。その最新作として登場したのが、Ryzen 9000シリーズに対応する「MSI MAG X870 TOMAHAWK WIFI」です。
Wi-Fi 7や5G LANといった最新規格を網羅しつつ、組み立てやすさを劇的に向上させた「EZ DIY」機能が注目されています。しかし、ネット上では「前世代より価格が上がった」「X870E(上位チップ)でなくて十分なのか?」といった声も聞かれます。
今回はその実力を確かめるために、実機を使用して徹底的に検証しました。組み立てのしやすさから実際のパフォーマンスまで、本音でレビューします。
【結論】自作PCの「新・標準」。迷ったらこれを選べば間違いない完成度

結論から言うと、「Ryzen 9000シリーズで組むなら、まずはこれを検討すべき」と言える傑作マザーボードです。
最大の魅力は、感動するほど進化した「組み立てやすさ」です。グラフィックボードをワンタッチで外せるボタンや、ドライバー不要でSSDを取り付けられる機構は、一度使うと元には戻れない快適さでした。性能面でも、最上位CPUであるRyzen 9 9950Xの性能をフルに引き出せる強力な電源回路を持っています。
チップセットはX870ですが、USB4やWi-Fi 7を標準搭載しており、一般的なユーザーがX870E(上位版)との違いを感じることはほぼないでしょう。価格は安くはありませんが、機能と品質を考えれば十分に納得できる一台です。
おすすめな人
初めて自作PCに挑戦する人(組み立てサポート機能が優秀)
Ryzen 7 9700XやRyzen 9 9950Xで高性能PCを組みたいゲーマー
Wi-Fi 7や5G LANなど、最新の通信環境を整えたい人
派手なライティングよりも、黒で統一された落ち着いたデザインが好みな人
おすすめできない人
極限のオーバークロックを目指す上級者(上位のCARBONやGODLIKEが推奨)
とにかく安くPCを組みたい人(前世代のB650チップセットの方が割安)
ホワイトカラーのパーツで統一したい人
デメリットが気になる人へのおすすめ商品
もし本商品の「価格」や「スペック」が要望と合わない場合は、以下の商品も検討してみてください。
もっと予算を抑えたいなら
MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI
一世代前のモデルですが、現在でも十分な性能を持っています。USB4やWi-Fi 7が不要であれば、こちらの方がコストパフォーマンスは高くなります。
より高い拡張性と電源性能を求めるなら
MSI MPG X870E CARBON WIFI
上位チップセット「X870E」を搭載し、電源フェーズ数もさらに強力です。より多くのPCIeレーンや極限の安定性を求めるハイエンド志向の方におすすめです。
3つの商品の比較表
比較項目 | MPG X870E CARBON WIFI | MAG X870 TOMAHAWK WIFI | MAG B650 TOMAHAWK WIFI |
1. チップセット | AMD X870E (ハイエンド) ※拡張性が最も高い | AMD X870 (ミドルハイ) ※最新規格対応の標準 | AMD B650 (ミドルレンジ) ※コスパ重視の定番 |
2. 電源回路 (VRM) | 18+2+1フェーズ (110A SPS) ※超高負荷・OC向け | 14+2+1フェーズ (80A SPS) ※Ryzen 9も十分動作可能 | 14+2+1フェーズ (80A SPS) ※Ryzen 9も十分動作可能 |
3. PCIe x16スロット | PCIe 5.0 x16 対応 (×2スロット装備) | PCIe 5.0 x16 対応 (×1スロット装備) | PCIe 4.0 x16 対応 (Gen5グラボ非対応) |
4. M.2 SSDスロット | 合計4基 (Gen5 x2基 / Gen4 x2基) | 合計4基 (Gen5 x2基 / Gen4 x2基) | 合計3基 (Gen5非対応 / Gen4 x3基) |
5. USB4 (40Gbps) | 2ポート搭載 (背面) | 2ポート搭載 (背面) | 非搭載 (最大USB 3.2 Gen2x2 20Gbps) |
6. 有線LAN | 5G LAN + 2.5G LAN (デュアルLAN構成) | 5G LAN (シングル) | 2.5G LAN (シングル) |
7. Wi-Fi / BT | Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 | Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 | Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.3 |
8. DIY機能 (EZ) | EZ PCIe Release (ボタン式) EZ M.2 Shield Frozr II | EZ PCIe Release (ボタン式) EZ M.2 Shield Frozr II | 従来のラッチ/ネジ固定方式 (一部M.2のみクリップあり) |
9. 装飾・デザイン | MPGシリーズ ドラゴンロゴが光る (Mystic Light) | MAGシリーズ 質実剛健・光らないミリタリー調 | MAGシリーズ 質実剛健・光らないミリタリー調 |
10. USB PD給電 | フロントUSB-Cが 27W 充電対応 | フロントUSB-Cが 27W 充電対応 | 通常の給電能力 |
MSI MAG X870 TOMAHAWK WIFIとは?
MSIのゲーミングブランド「MAG」シリーズの中核を担うATXマザーボードです。ミリタリーテイストを取り入れた耐久性の高さと、無駄を削ぎ落としたブラックデザインが特徴です。
今回のモデル(MB6918)は、AMDの最新チップセット「X870」を採用し、次世代の通信規格と使い勝手の向上にフォーカスしています。
基本スペック
対応ソケット: AM5(Ryzen 7000/8000/9000対応)
チップセット: AMD X870
フォームファクタ: ATX
メモリ: DDR5 最大192GB(OC対応)
電源フェーズ: 14+2+1 Duet Rail Power System
通信機能: Wi-Fi 7, 5G LAN, Bluetooth 5.4
主なインターフェース: USB4 (40Gbps) x2, USB 3.2 Gen2x2
独自機能: EZ PCIe Release, EZ M.2 Clip II
検証してわかったよい点・気になる点
ここからは、実際に使用してわかった「組み立てやすさ」「機能性」「デザイン」について詳しく解説します。
1. 操作性・組み立て:EZ DIY機能が革命的に便利
検証して最も感動したのは「EZ PCIe Release」です。 通常、大きなグラフィックボードを外す際は、狭い隙間に指を入れてラッチ(爪)を押し込む必要があり、非常にストレスでした。しかし、このモデルはメモリスロットの横にある物理ボタンを押すだけでロックが解除されます。頻繁にパーツ交換をする人だけでなく、メンテナンス時の掃除も劇的に楽になります。
また、M.2 SSDの取り付けも「EZ M.2 Clip II」により完全ツールレス化されています。小さなネジを紛失する心配も、ドライバーを回す手間もありません。パチっとはめるだけで固定できるこの機構は、自作PCのハードルを一段階下げてくれました。
2. 機能性・パフォーマンス:妥協のない構成
電源回路は14+2+1フェーズ(80A SPS)を採用しており、高負荷時でも動作は極めて安定しています。実際にRyzen 9シリーズを搭載してベンチマークを回しても、VRM(電源周り)のヒートシンクがしっかりと熱を逃しており、サーマルスロットリング(熱による速度低下)の心配はありませんでした。
背面のUSBポートには最新のUSB4端子を2つ搭載しています。最大40Gbpsの転送速度は、外付けSSDでの動画編集や、将来的な周辺機器の拡張において大きなアドバンテージとなります。さらに、有線LANが標準で5G(5ギガビット)に対応している点も、大容量データを扱うユーザーには嬉しいポイントです。
3. デザイン・質感:どんなケースにも合う「黒の美学」
基板からヒートシンクに至るまで、マットなブラックで統一されています。派手なLED装飾は控えめで、ロゴも主張しすぎません。「中身が見えるガラスケースを使いたいけれど、ギラギラ光らせたくない」という大人なゲーミングPC構築に最適です。 ヒートシンクはずっしりとした重厚感があり、安っぽさは微塵も感じられませんでした。
4. 気になる点:SATAポートの配置と数
あえて懸念点を挙げるとすれば、SATAポートの数です。M.2 SSDスロットが豊富な反面、従来のSATAポートは4つとなっています。大量のHDDを接続したいファイルサーバー用途としては少し物足りないかもしれません。ただ、最近はM.2 SSDが主流のため、一般的なゲーマーやクリエイターには十分な数と言えます。
まとめ
MSI MAG X870 TOMAHAWK WIFIは、「組み立ての快適さ」と「最新規格への対応」を高次元で両立させたマザーボードでした。
特に、グラフィックボードやSSDの着脱を容易にする「EZ DIY」機能は、初心者からベテランまで全てのユーザーに恩恵があります。価格は安価なエントリーモデルよりは高いですが、USB4やWi-Fi 7といった将来性のある機能を備えているため、一度組めば長く使える相棒になるはずです。
Ryzen 9000シリーズで、安定性と使い勝手の良いPCを組みたいと考えているなら、このマザーボードを選んで間違いありません。





