DDR5メモリが1年で4〜5倍に|2026年10月のこの値段で、自作PCのメモリをどう買うか(7製品を実測)
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この記事を書いた人:まるこ(PC・ガジェット担当/編集長)/ 自作PCでメモリの干渉と4枚挿しに失敗してきた筆者が、2026年10月6日にAmazonで価格を実測して書き直しました。
この記事は、もともと「DDR5メモリのおすすめ7選」として春に書いたものです。ところが2026年10月6日に同じ7製品の価格を見直したら、どれも数倍になっていました。いちばん安い32GB(16GB×2)キットで77,880円、G.Skillの32GBキットは218,150円、128GBキットは437,878円。春の感覚で「迷ったらこれ」と書いた内容は、そのままでは役に立ちません。
なので今回は、おすすめの順位を並べ直すのではなく、「この値段のときに、自作PCのメモリをどう買うか(あるいは買わないか)」を軸に書き直します。7製品の実測価格はそのまま載せるので、判断材料にしてください。
- 今のPCが動いていて、メモリ不足で困っていないなら、増設も買い替えも先送りが私の答えです。1年で4〜5倍になった部品を、必要でもないのに買う理由はありません。
- どうしても組む・壊れた、という人は32GB(16GB×2)の最安帯一択。10/6時点ではT-FORCE VULCANの77,880円、次がT-CREATE EXPERTの89,980円です。
- 64GB・128GBは見送り。64GBキットが189,980円、128GBキットが437,878円で、グラボより高い。仕事で容量が要る人以外は手を出す値段ではありません。
- 「速さ」より「容量が足りているか」で考える。DDR5-6000 CL30のような高クロック・低レイテンシに上乗せする余裕は、いまは無いと割り切っていいです。
何が起きているのか:1年で4〜5倍、原因はAI向けメモリへの生産配分
値上がりは私の体感ではなく、業界データとして出ています。財経新聞(2026年8月19日)の集計では、DDR5は前年比で4〜5倍、品種によっては10倍以上になっています。
| 財経新聞の集計(2026年8月19日) | 1年前 | 2026年8月 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| DDR5-4800 32GB | 約14,400円 | 約68,000円 | 372% |
| DDR5-6000 32GB×2(64GB) | 約30,560円 | 約178,880円 | 485% |
| DDR5-6400 128GB | 約54,000円 | 約543,840円 | 10倍以上 |
原因として挙げられているのは、メモリメーカーがAI向けのHBM(高帯域幅メモリ)に生産能力を振り向けていることです。HBMは同じ容量を作るのに従来のDRAMより多くのウェハーを使うため、PC向けDDR5に回る分が減ります。DDR4の生産も縮小されているので、「DDR4で組めば安い」という逃げ道も細くなっています。同記事では、供給不足は2027年まで続くとの見方と、2027年後半から落ち着く可能性の両方が示されていて、いつ下がるかは誰にも確約できない、というのが正直なところです。
7製品の実測価格(2026年10月6日・Amazon)
春に紹介した7製品を、同じAmazonの商品ページで見直した結果です。楽天も確認しましたが、10/6時点ではどの製品もAmazonより高いか取扱いが無かったので、リンクはAmazonのみにしています。
| 製品(Amazonへ) | 価格(10/6) | 評価 | 在庫 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| TEAMGROUP T-FORCE VULCAN 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL38 | 77,880円 | 4.2 | 在庫あり | 低背(約32.7mm)・赤ヒートシンク・光らない |
| TEAMGROUP T-CREATE EXPERT 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30 | 89,980円 | 4.8 | 在庫あり | 低背(約32mm)・光らない・クリエイター向け |
| Kingston FURY Beast RGB 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30 | 93,294円 | 4.7 | 4〜5日で発送 | 高さ約42mm・RGB・AMD EXPO |
| Kingston FURY Beast 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30 | 121,723円 | 4.7 | 6〜7日で発送 | 高さ約35mm・光らない・AMD EXPO |
| G.Skill Trident Z5 Neo RGB 32GB(16GB×2) DDR5-6400 | 218,150円 | 4.6 | 残り1点 | 高さ約44mm・RGB・国内正規品 |
| TEAMGROUP T-FORCE DELTA RGB 64GB(32GB×2) DDR5-6000 CL38 | 189,980円 | 3.8 | 残り16点 | 高さ約46mm・RGB・64GB |
| A-Tech 128GB(32GB×4) DDR5-5200 CL42 | 437,878円 | 4.5 | 7〜8日で発送 | 4枚組・ヒートシンクなし |
ひとつ訂正があります。T-CREATE EXPERTは、春の時点では「6400MHz・CL40」の製品ページでしたが、現在同じページは「6000MHz・CL30」の製品に切り替わっています。旧記事の表記のままだと実物と食い違うので、上の表は現行ページの仕様に直しました。
この値段での買い方、4パターン
① 困っていないなら買わない(いちばん多い人)
いまのPCが動いていて、タスクマネージャーでメモリが常時90%を超えているわけでもないなら、何もしないのが正解です。「将来のために今のうちに」は、値段が4倍になった後に言う言葉ではありません。
② 組まざるを得ないなら、32GB(16GB×2)の最安帯
新しく組む・故障で交換する人は、32GBキットの安い方から選んでください。10/6時点ではT-FORCE VULCAN(77,880円・CL38)、T-CREATE EXPERT(89,980円・CL30)の順です。どちらも背が低いので、大型の空冷クーラーと干渉しにくいのも理由です。ゲーム用途で「CL30が欲しい」なら、T-CREATE EXPERTは同じ6000MHz・CL30でFURY Beast無印(121,723円)より3万円以上安く、いまはこちらが現実的です。
③ 仕事で容量が要る人:64GBは「時期をずらせないか」を先に考える
動画編集や仮想マシンで64GBが要る人は、DELTA RGBの64GBキットが189,980円です。春の感覚なら10万円を大きく切っていた価格帯なので、案件の都合で今すぐ必要なのでなければ、数ヶ月待つ判断を先に検討してください。この製品はAmazon評価が3.8と割れているのも気になる点です。128GB(437,878円)は、個人でこの値段を出す合理性を私は見つけられませんでした。
④ 「PCが1台要るだけ」なら、自作ではなくメモリ込みの既製品
自作にこだわりが無く、仕事用のPCが1台欲しいだけなら、メモリ込みで値段が決まっているミニPCの方が総額が読めます。このサイトで実際に事務所に入れたGEEKOM IT13 Maxや、GMKtec M8のような選択肢です。メモリ単体を8〜9万円で買うより、PC1台が買える局面になっています。
値段が変わっても変わらない、買う前の3つの確認
ここは春の記事から残します。私が実際に失敗して、お金を無駄にした3点です。
1. DDR4のマザーボードにはDDR5は挿さらない
切り欠きの位置が違うので物理的に入りません。マザーボードの仕様欄に「DDR5」と書いてあるかを先に見てください。今のPCがDDR4なら、DDR5に行くにはマザーボードとCPUも替えることになり、この値段のメモリと合わせると「PCを丸ごと買う」に近い出費になります。
2. 背の高いメモリは空冷クーラーに当たる
光るメモリはヒートシンクが高く、大型の空冷クーラーと干渉します。私はこれで一度買い直しました。水冷でないなら、上の表で「低背」と書いた製品(VULCAN・T-CREATE EXPERT)から選ぶのが無難です。FURY Beast RGBは約42mm、Trident Z5は約44mm、DELTA RGBは約46mmあります(メーカー公称)。
3. 4枚挿しは、対応クロックが下がる
DDR5はスロット4本を全部埋めると、マザーボードが保証するメモリクロックが2枚挿しより低くなります(マザーボードの仕様表に2枚時と4枚時で別の値が書かれています)。私は見た目で4枚にして、速度が出ないことに後から気付きました。容量を増やしたいなら「大容量を2枚」が基本です。128GBキットのように最初から4枚前提の製品は、クロックを落として容量を取る用途だと理解して選んでください。
買った後にやること:XMP / EXPO を有効にする
DDR5メモリは、挿しただけでは定格の低い速度で動きます。BIOS(UEFI)でIntel環境なら「XMP」、AMD環境なら「EXPO」のプロファイルを有効にして、買ったメモリの速度で動かしてください。8万円出して定格のままで使うのはもったいないです。
7製品の詳細
TEAMGROUP T-FORCE VULCAN 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL38

77,880円(10/6・評価4.2・在庫あり)/ 低背(約32.7mm)・赤ヒートシンク・光らない
TEAMGROUP T-CREATE EXPERT 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30

89,980円(10/6・評価4.8・在庫あり)/ 低背(約32mm)・光らない・クリエイター向け
Kingston FURY Beast RGB 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30

93,294円(10/6・評価4.7・4〜5日で発送)/ 高さ約42mm・RGB・AMD EXPO
Kingston FURY Beast 32GB(16GB×2) DDR5-6000 CL30

121,723円(10/6・評価4.7・6〜7日で発送)/ 高さ約35mm・光らない・AMD EXPO
G.Skill Trident Z5 Neo RGB 32GB(16GB×2) DDR5-6400

218,150円(10/6・評価4.6・残り1点)/ 高さ約44mm・RGB・国内正規品
TEAMGROUP T-FORCE DELTA RGB 64GB(32GB×2) DDR5-6000 CL38

189,980円(10/6・評価3.8・残り16点)/ 高さ約46mm・RGB・64GB
A-Tech 128GB(32GB×4) DDR5-5200 CL42

437,878円(10/6・評価4.5・7〜8日で発送)/ 4枚組・ヒートシンクなし
まとめ:いまは「選ぶ」より「買うかどうか」の局面
春に書いた「迷ったらT-CREATE EXPERT」は、値段が4倍になった今も製品としては悪くありません。ただ、おすすめの製品名より先に、「その8万円、いま本当に要るか」を一度考えてほしい。動いているPCなら待つ。組むなら32GBの最安帯だけ。64GB以上は時期をずらす。これが2026年10月の私の答えです。値段が落ち着いたら、この記事もまた書き直します。
この記事を書いた人
まるこ(PC・ガジェット担当/編集長)
デスク周りのガジェットを実際に買って毎日使い、良い所も引っかかった所も正直に書きます。